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緊急避妊薬「ノルレボ錠」の販売、承認。
以前このブログでも、承認に向けたパブリックコメントの
ご協力をお願いしましたが、みなさまのご協力のおかげで、
承認に至りました。

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厚生労働省の薬事分科会は24日、
コンドームが壊れたり、性犯罪の被害に遭ったりした女性が、
望まない妊娠を防ぐために服用する緊急避妊薬
「ノルレボ」の承認を決めた。

来春にも発売される。

2010年12月24日。YOMIURI ONLINE。
記事全文はこちら
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みなさま、趣旨に賛同いただき、
パブリックコメントにご協力いただき
ありがとうございました。


■承認されたことで、今までとこれから何が変わるか?

さて、承認をされたことで何が変わるかをまとめてみました。
(産婦人科医の北村邦夫先生に確認済みの内容です)

1)緊急避妊薬『ノルレボ錠』の発売が承認された
  ⇒ニュースになっているのは、薬事分科会という検討会で「承認」されたこと。
   この結果をもとに、来月にも厚生労働大臣が「決裁」して「正式承認」になる。

2)5月の連休明けからの発売を目標としている
3)これまでは中用量ピル(プラノバールあるいはドオルトン)を
  医師が自分の判断と責任で、緊急避妊を要する女性に処方していた。
4)今後はそれらに代わり緊急避妊薬「ノルレボ錠」を
  緊急避妊を要する女性に処方できる。
5)ノルレボは医師の処方が必要な薬。
  ⇒処方箋無しで一般の人が薬局等で買うことはできない。
   処方箋があれば処方箋薬局で入手できる。

6)ノルレボ錠は緊急避妊のための薬⇒「中用量ピル」とは少し違う
  ⇒ノルレボ錠は、黄体ホルモン製剤(レボノルゲストレル単剤)、
   中用量ピルはエストロゲンとプロゲストーゲンの配合剤。



■パブリックコメントの詳細

今回の承認をめぐるパブリックコメントにおいて、賛成・反対の数と、
反対の主な理由は次の通りだったそうです。
(こちらも北村ドクターより伺いました)

1)12/9締め切りのパブリックコメントの結果:
  ・総数578件
  ・承認するべきが463件(80%)
  ・承認するべきでないが114件(20%)

2)(反対の)理由としては、
  1)女性にだけ責任を負わせ、健康を害する恐れがある
  2)極く早期の妊娠中絶作用がある
  3)環境ホルモンとして次世代に影響を及ぼす
  4)子供たちの安易な性を助長する
  5)妊娠中絶の減少には繋がらない


上記の反対意見に関して、
北村ドクターからご見解・ご意見をいただきました。
全部は載せ切れませんが、エッセンスを引用にてご紹介します。
(各段落ごとに上記の1〜5に対する意見です)

妊娠は女性にしか起こらない現象です。
そのためにも、避妊における女性自身の責任は重い。
100%確実な避妊法が存在しない以上、
ピルの服用忘れ、コンドームの破損・脱落、
もちろんレイプ被害など非常時に対処できる緊急避妊法は不可欠の避妊法です。
仮に多少のマイナートラブルがあったとしても、
妊娠・中絶に伴うトラブルとは比べようがありません。



着床の成立が妊娠の成立であって、
排卵の抑制・遅延、あるいは着床の阻害を作用機序とする緊急避妊ピルは、
最後の避妊手段であって中絶薬ではありません。(後略)



1995年、英国環境庁が発表した資料には、
ピルの成分であるEE(エチニルエストラジオール)がロンドンの7つの河川のうち
3つの河川の汚泥中に検出されるとともに、
ローチという雌雄同体の小魚が発見されたとあります。
(中略)
しかし、7つのうち3つという矛盾などもあり、
英国環境庁もそれ以上の追求をしたわけではありません。
ホルモンとは内分泌腺があって分泌されるもので、
環境がホルモンを分泌することは絶対にありません。
正しくは内分泌撹乱化学物質というべきで、
それに女性ホルモン様作用があるからという理由だけで
ピルやHRTを標的にするのは誤りです。



一般的に緊急避妊ピルの妊娠阻止率は80%程度と言われています。
一回限りの服用としては、避妊効果は驚くほど高いことになります。
(中略)
仮に、性交のたびに緊急避妊ピルを服用することで避妊をしようと考える若者がいたら、
想像を絶する妊娠率、さらには服用に伴う出血に悩まされることになります。
したがって緊急避妊ピルは常時使用する避妊法としては
全くふさわしくないことになります。

ただし、100%完璧な避妊法が存在しない以上、
不測の事態に対処する緊急避妊ピルの存在は
「妊娠阻止率が80%程度」であろうとも有用なのです。
これを繰り返させるかどうかは、
処方する医師あるいは指導にあたるコメディカルの責任です。(後略)



妊娠阻止率が80%程度とはいえ、
緊急避妊ピルの使用によって中絶を回避できた女性は確実に存在します。
American College of OB&GYでは、米国の妊娠の49%が予定外の妊娠であり、
緊急避妊ピルの服用によって、その妊娠を89%阻止できるとしています。



■Link-Rより

以前にもこのブログや他のところに書いたものとほぼ同じ内容ですが、
前提として、
緊急避妊を行わなければいけないような状況はあって欲しくないけれど、
本当に色々な問題がおこっている現在の状況を見ると、
セーフティネットを用意しておくことは必要であると思います。


まず、色々な所で多くの方々が指摘されているように、

緊急避妊の安易な使用によってコンドームの使用がおろそかに

別な健康被害の心配が出る

という心配は確実にありますし、
いつも念頭に置いていないといけません。

※若い世代を中心に、心配事は「妊娠 > 性感染症」なので、
「緊急避妊があれば妊娠は防げる」と思って、コンドームを使わなくなる
人が増える恐れはあります。
緊急避妊があれば妊娠は防げますが、それを常用することは
誤りです(上記の北村ドクターのコメントを参照)し、
緊急避妊をあてにしてコンドームを使わないことはあってはなりません。


我々のような啓発屋さんが
しっかりそういった事実を広めていかないといけません。

コンドームをつけない性交は、
エイズを含む性感染症やその他の健康被害を招きます。

※「理想的には避妊はピルで、性感染症の予防はコンドームでと考えた方が、
それぞれの効果はより高まる」と指摘する専門家は大勢います。
コンドームはやはり病気の予防という点では重要です。


緊急避妊はその名の通り
「レイプされた!」「コンドームが破れた!」などの
緊急事態における最後の手段と考えないといけません。

緊急避妊があるから、コンドームをつけなくていいよね、という発想は
当然あってはならないと思っています。

ただし、避妊具としてのコンドームの失敗率は15%とも言われており、
それは100組のカップルのうち15組はコンドームを使っても
避妊に失敗する恐れがあることを意味しています。
何らかの理由でピルを飲まないことを選択するカップルも大勢いるわけですから、
避妊に失敗した際のセーフティネットは必要です。



また、レイプ被害は表沙汰にならないだけで
かなりの件数に上ります。
真昼間に池袋の公園でレイプされたといって
緊急避妊を求める女性もいるくらいです。

こうした薬が認可されないということは、
非承認の薬を医師が自分の判断で使わねばならないということであり、
現在使われている中用量ピル(プラノバールあるいはドオルトン)は
女性の身体への副作用と負荷が問題視されているのも事実です。

そういうものに対して負担の少ない薬を承認するというのは
ひとつの前進であると思います。

そして、レイプ被害の緊急対処という側面に対して、
女性の身体への副作用や負荷の少ない新薬が発売されることに
反対される方はほとんどおられないでしょう。


次の段階として、上にも書いた通り、
「緊急避妊を安易に頼っちゃいけないよ。
コンドームを使わないと健康被害が起こりますからね」
など、関連する正確な知識をちゃんと広めていくことが必要であり、
それは私や私の同業のような啓発屋さんの仕事であると思っています。
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